皮膚科の医師による真菌症の診断

足白癬は皮膚糸状菌によって生じる真菌症です。日本ではおよそ2100万人が罹患しているといわれ、発症頻度には性差はありません。年齢別発症頻度は10歳以下の幼少時は3%以下で、20歳代より急激に増加し、20~30歳代の青壮年層が全症例の約半分を占めるとされています。

医療機関の診断

足白癬には、指の間が赤くなって皮がむけたり、爛れたり、皮がふやけたりするタイプ、足の裏側や側面などに細やかな小水疱ができて周りが赤くなるタイプ、足の裏全体がカサカサして厚く硬くなり、ボロボロと皮がむけたり、踵がひび割れてあかぎれのようになることがあるタイプの3つに分けることができます。

足白癬の診断は臨床症状からある程度可能ですが、接触皮膚炎、湿疹、アカギレに代表されるいつかの疾患との識別が必要です。臨床症状のみでは、皮膚科専門医でも誤診がありえます。そこで必ず直接鏡検を必要とします。足白癬の確定診断には、病変部に真菌が存在することを証明しなければなりません。

直接鏡検で菌陽性となった場合、例えば軽いびらんや亀裂がみられるときには、テラジアパスタ、亜鉛華軟膏などで病変部を乾かします。その後に殺菌のある抗白癬薬を塗布します。びらん部分などに直接、抗真菌薬を塗布すると、抗白癬薬による接触皮膚炎などを起こすリスクがあるため避けます。また、びらん部にはクリームの外用剤は禁忌です。